ククの恋愛大作戦第4弾!
ハッシュにククを意識させるために荒療治を敢行。
悪魔ビカレスクが参戦することとなり、物語は急展開を迎える。
お題をお借りしております→chocolate sea
浴場にて、ハッシュとビカレスク。二人はのんびりお湯につかっていた。アルトフールのお風呂は男湯と女湯に分かれており、10人は一気に入れる程の大きな浴場となっている。
「ククの処女、貰っていい?」
ビカレスクからの爆弾発言。ハッシュは驚いた様子でビカレスクを二度見する。
「は?何突然?」
「いや、悪魔は魔女の処女が欲しいんだよ。それでククの魔力は超強力になるし、俺にもククの魔力の恩恵が来る。お互いwin-winな関係でいられるんだよ。」
ハッシュは白い湯気立ち昇る湯面を見つめる。そこから現れるのは少しふやけた自分の手。つい先日、この手で握ったククの手の感触を思い出していた。
自分よりも小さく華奢だが器用そうでほっそりとした手。ハッシュは口を開く。
「そんなの、ククが決めることだろう?なんで俺に許可を得る必要があるんだ?」
「だって、お前は…。」
そう言いかけてビカレスクは口を閉ざす。ククがまだ告白していないのに、フライングしてククの気持ちを伝えてはならない。
言い淀むビカレスクを横目でちらりと見遣ると、ハッシュは小さく呟いた。
「ぶっちゃけ、俺は嫌だけどね。でも、ククが力を必要とするならば、ククの意見を尊重しなきゃならない。」
ビカレスクは耳ざとくハッシュの言い捨てた言葉をひろい上げると、ニヤッと意地悪く笑って「お前、ククのなんなの?」と質問した。
「ククは、守るべき仲間で…、それ以上でもそれ以下でもない。ククには幸せになってほしい。それは皆が思っていることだろう?」
「ククに関してはな。あいつが一番の功労者だしね。アルトフールの。」
「だからこそ、お前やディレィッシュみたいな軽い男にククは渡したくないんだよ。」
ハッシュは爽やかな微笑みをビカレスクにむける。ビカレスクはチッと舌打ちをして嫌そうな顔をした。兄と同じく腹黒い物を抱えるのが得意な男だ。
「言うねぇ。俺、怒ったよ。絶対ククを落として見せる。それでククの処女と最強魔女の力ゲットして見せる。」
と、ビカレスクは言うなり湯船から立ち上がり、前を隠すことなく意気揚々として浴場を出て行った。
ハッシュは少しクラクラしてきたが、もうちょっとだけ浸かることにした。ビカレスクと一緒に脱衣所にいるのは今は気まずい。それにしても、ビカレスクの言葉は本気なのか。彼は彼で、想いを寄せる人がいるという話は少しだけ聞いたことがあるのだが。
だから、本当にビカレスクがククを好いてくれているのならば、ハッシュは何も口出しをするまいと思っていた。
to be continued.
ハッシュにククを意識させるために荒療治を敢行。
悪魔ビカレスクが参戦することとなり、物語は急展開を迎える。
お題をお借りしております→chocolate sea
浴場にて、ハッシュとビカレスク。二人はのんびりお湯につかっていた。アルトフールのお風呂は男湯と女湯に分かれており、10人は一気に入れる程の大きな浴場となっている。
「ククの処女、貰っていい?」
ビカレスクからの爆弾発言。ハッシュは驚いた様子でビカレスクを二度見する。
「は?何突然?」
「いや、悪魔は魔女の処女が欲しいんだよ。それでククの魔力は超強力になるし、俺にもククの魔力の恩恵が来る。お互いwin-winな関係でいられるんだよ。」
ハッシュは白い湯気立ち昇る湯面を見つめる。そこから現れるのは少しふやけた自分の手。つい先日、この手で握ったククの手の感触を思い出していた。
自分よりも小さく華奢だが器用そうでほっそりとした手。ハッシュは口を開く。
「そんなの、ククが決めることだろう?なんで俺に許可を得る必要があるんだ?」
「だって、お前は…。」
そう言いかけてビカレスクは口を閉ざす。ククがまだ告白していないのに、フライングしてククの気持ちを伝えてはならない。
言い淀むビカレスクを横目でちらりと見遣ると、ハッシュは小さく呟いた。
「ぶっちゃけ、俺は嫌だけどね。でも、ククが力を必要とするならば、ククの意見を尊重しなきゃならない。」
ビカレスクは耳ざとくハッシュの言い捨てた言葉をひろい上げると、ニヤッと意地悪く笑って「お前、ククのなんなの?」と質問した。
「ククは、守るべき仲間で…、それ以上でもそれ以下でもない。ククには幸せになってほしい。それは皆が思っていることだろう?」
「ククに関してはな。あいつが一番の功労者だしね。アルトフールの。」
「だからこそ、お前やディレィッシュみたいな軽い男にククは渡したくないんだよ。」
ハッシュは爽やかな微笑みをビカレスクにむける。ビカレスクはチッと舌打ちをして嫌そうな顔をした。兄と同じく腹黒い物を抱えるのが得意な男だ。
「言うねぇ。俺、怒ったよ。絶対ククを落として見せる。それでククの処女と最強魔女の力ゲットして見せる。」
と、ビカレスクは言うなり湯船から立ち上がり、前を隠すことなく意気揚々として浴場を出て行った。
ハッシュは少しクラクラしてきたが、もうちょっとだけ浸かることにした。ビカレスクと一緒に脱衣所にいるのは今は気まずい。それにしても、ビカレスクの言葉は本気なのか。彼は彼で、想いを寄せる人がいるという話は少しだけ聞いたことがあるのだが。
だから、本当にビカレスクがククを好いてくれているのならば、ハッシュは何も口出しをするまいと思っていた。
to be continued.
- 関連記事
-
- 嫉妬歓迎、焼餅をやかせてみよう大作戦②
- 嫉妬歓迎、焼餅をやかせてみよう大作戦①
- 自分改革、君色に染まって誘惑大作戦②
スポンサーサイト